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2型糖尿病とは?

2型糖尿病は、インスリンの分泌が減少したり、インスリンは十分出ているけれども肥満や脂肪肝などインスリンが効きにくい体質になっているせいで血糖値が上昇し、発症する糖尿病です。糖尿病の中でもとくに多く見られるタイプで、一般的に「糖尿病」と呼ばれるほとんどがこの2型糖尿病を指します。
遺伝的要因と生活習慣の乱れが重なって発症するのが特徴で、生活習慣病の代表的なものの一つです。その性質上、高血圧や肥満症などと合併しているケースも多く、発症に気づかないまま放置されてしまうケースも少なくありません。日本では40歳以降で有病率が上昇し、とくに男性がかかりやすい傾向にあります。
1型糖尿病との違い
1型・2型ともに遺伝要因をはじめとした様々な原因が考えられますが、2型糖尿病では生活習慣の影響がより大きい点が特徴です。インスリン分泌や作用が正常でも、その働きを損ねる生活習慣が長く続くと、徐々にインスリンが効きにくくなっていきます(インスリン抵抗性)。これによって正常な糖代謝ができなくなってしまった状態が2型糖尿病です。こうした性質上、インスリンがきちんと分泌されていても、糖尿病と診断されることがあります。
2型糖尿病の原因
2型糖尿病には家族歴があることが多く、血縁者に糖尿病の方がおられる場合は、糖尿病を発症しやすい傾向にあります。しかし、原因はそれだけではなく、以下のような生活習慣の影響を多分に受けます。
食生活の乱れ
暴飲暴食などによる食生活の乱れが続くと、体内の糖代謝機能に異常を生じさせます。これにより過剰なインスリン分泌が続くことで、インスリンの機能が徐々に低下し、体がインスリンに反応しにくくなります。
肥満
肥満になると余分な糖(エネルギー)を消費しようとして膵臓から大量にインスリンが分泌されるようになります。この状態が長引くと、インスリンの分泌力と体への効き具合が徐々に低下していくため、次第に正常な血糖値を保てなくなります。
運動不足
運動不足になると、消費されるべき糖が血中に残ったり、脂肪に変換されたりするため、肥満の原因となります。上述したように肥満はインスリンの作用を低下させるため、運動不足もまた糖尿病の原因になると言えます。
過度な飲酒
過度な飲酒は肥満の原因となるだけでなく、インスリンの分泌に悪影響を与えます。またアルコール性肝硬変や慢性膵炎のリスクも高め、血糖値の上昇に繋がります。
喫煙習慣
喫煙には交感神経を刺激して血糖値を上昇させる作用と、インスリンの働きを妨げる作用があります。そのため、長期にわたる喫煙習慣は糖尿病のリスクを高めてしまいます。
2型糖尿病の検査

2型糖尿病は、主に血液検査によって血糖値とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を調べることで診断します。血液検査だけでは正確な診断が難しい場合は、75g経口ブドウ糖負荷試験(※)なども行います。
1型糖尿病と鑑別が難しいケースもあり、誤った診断と治療によって症状を悪化させてしまう可能性があります。2型糖尿病の治療中の方で、急にお薬が効かなくなってきた場合は、再度の検査をおすすめいたします。
(※)ブドウ糖75gが含まれたサイダー水を飲み、その後の血糖値の変動を確認する検査
2型糖尿病の治療
2型糖尿病の治療では、食事療法・運動療法をメインに、適宜薬物療法を組み合わせて行います。糖尿病は完治しない病気と言われますが、早期に治療をはじめて正しく継続できれば、健康な方と同様の生活を維持することは十分に可能です。食事療法と運動療法のみで血糖コントロールができれば、薬物療法を行わずに糖尿病と付き合えるケースも少なくありません。
食事療法・運動療法
食事療法ではカロリー制限や栄養バランスの改善により、運動療法では適度な運動によってインスリンの効果を高めることにより、血糖値のコントロールを行います。2型糖尿病治療の鍵となる治療法で、初期段階であれば、これらのみで病気のコントロールが可能なケースもあります。
ただし、厳しい食事制限や運動指導は患者さんの苦痛となり、治療継続の障壁にもなりかねません。日々の生活と血糖値のバランスを取りつつ、無理なく継続することが大切です。
薬物療法
食事療法・運動療法による生活習慣の改善だけでは血糖コントロールが困難な場合に行います。経口血糖降下薬をはじめとした内服薬やインスリン注射などがあり、病態に応じて適切に使い分けます。
医療技術の進歩により、日々様々な糖尿病治療薬が開発されています。服用・注射の回数や即効性なども多岐にわたりますので、患者さんの病態やライフスタイルに合わせて使い分け、“無理なく”治療を続けることが大切です。
2型糖尿病へのインスリン治療について
「糖尿病=インスリン治療(注射)が必須」と思われることも多いですが、2型糖尿病の場合は必ずしもインスリン注射が必要とは限りません。初期段階であれば、生活習慣の改善や内服薬のみで治療が可能なこともありますし、治療によってインスリン分泌状態が回復すれば、注射を中止することもできます。
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