ペットボトル症候群

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ペットボトル症候群とは?

ペットボトル症候群とは?

ペットボトル症候群は、糖分を多く含む清涼飲料水を大量に摂取することで引き起こされる健康障害です。糖分の大量摂取によって、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が異常に高まることで、様々な症状を引き起こします。糖尿病の方に見られることが多いですが、糖尿病と診断されていない人でも突然発症する可能性があります。

原因となる清涼飲料水はペットボトル入りのものが多いために、「ペットボトル」の名前が付いています。これらは手軽な水分補給に大変便利ですが、飲料選択と飲み方には十分にご注意ください。

清涼飲料水に含まれる糖分量の目安

清涼飲料水に含まれる糖分量の目安は以下のとおりです。存外に多くの糖分が含まれており、これらはとくに体内への吸収が早いので、血糖値の急上昇につながりやすいのが特徴です。

飲料 糖分量(スティックシュガー換算)
缶コーヒー(190ml) 約5本分
スポーツ飲料(500ml) 約8個分
炭酸飲料(350ml) 約14個分

ペットボトル症候群の主な症状

ペットボトル症候群の主な症状には以下のようなものがあります。これらは、血糖値の急激な上昇と、それに伴うケトーシスによって引き起こされます。

  • のどの渇き
  • 多尿(尿量が多い)
  • 強い倦怠感
  • 腹痛・吐き気
  • 意識の低下や昏睡状態(重症の場合) など

ケトーシスとは?

ケトーシスは、体内でケトン体という酸性物質が過剰に産生されることで起こります。ペットボトル症候群や糖尿病では以下のメカニズムでケトーシスが引き起こされます。

1.大量の糖分摂取により血糖値が急上昇
2.膵臓が大量のインスリンを分泌しようとするが、追いつかない
3.高血糖状態が続き、インスリンの効果が低下
4.体が代替エネルギー源として脂肪を分解し始める
5.脂肪分解の過程でケトン体が生成され、血液が酸性に傾く
6.ケトーシス状態になる

ケトーシス状態が進行すると?

ケトーシス状態が進行すると、ケトン体によって血液が酸性に強く傾き、ケトアシドーシスという重篤な状態へと移行してしまいます。とくに糖尿病によるものを「糖尿病ケトアシドーシス(DKA)」と言い、処置が遅れると命に関わることもあります。

上述の通り、体内のインスリン不足が原因となりますので、インスリン治療中の方は、注射の打ち忘れなどには十分な注意が必要です。

糖尿病との関係

糖尿病との関係

糖尿病患者は血糖コントロールが難しいため、ペットボトル症候群を引き起こすリスクが高いと言えます。また、習慣的に清涼飲料水を飲んでおられる方は、高血糖状態が続いているので、糖尿病(2型糖尿病)の発症リスクを高めてしまいます。

糖尿病の初期症状として、ペットボトル症候群の症状が現れることもありますので、糖尿病患者や糖尿病リスクの高い方は、清涼飲料水の過剰摂取に注意が必要です。

ペットボトル症候群の予防と対策

ペットボトル症候群を予防するために、以下の点に注意しましょう。

水分補給の工夫

  • 水やカフェインを含まないお茶(麦茶など)を主に摂取
  • 甘い飲み物は嗜好品として楽しむ程度に(頻繁・大量に飲まないようにする)
  • 無糖や糖分控えめの飲料を選ぶ
  • 購入時に栄養成分表示を確認 など

適切な水分補給

  • 1日1.5L以上の水分摂取を目標に、こまめな水分摂取を意識する
  • 一気に大量に飲まないようにする(運動後や汗をかいた後はとくに注意)

定期的な健康チェック

糖尿病のリスクがある方は、定期的に血糖値をチェックしましょう。飲食を行う前には処方されている薬を適切に使用し、血糖値上昇をコントロールすることが大切です。