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高血圧とは?

高血圧(高血圧症)は、慢性的に血圧が高い状態が続く疾患です。血圧は様々な要因で変動するため、一時的なものであれば問題ありませんが、継続的に血圧が高い状態が続く場合に高血圧と診断されます。
高血圧の自覚症状はほとんどありませんが、慢性的な高血圧状態は血管に負担をかけるので、動脈硬化を促進させてしまいます。動脈硬化は全身様々な部位の疾患を引き起こす可能性があるので、高血圧症は間接的に命に関わることもある怖い病気です。
高血圧の特徴
高血圧症の特徴としては以下が挙げられます。代表的な生活習慣病の一つで、発症・進行に伴う自覚症状に乏しいですが、確実に進行していく点に注意が必要です。
- 自覚症状がほとんどない
- 放置すると重大な合併症のリスクが高まる
- 生活習慣の改善で予防・改善が可能
- 糖尿病患者は発症リスクが高い など
高血圧の診断基準
高血圧症は、以下の方法による血圧測定で繰り返し数値の異常が見られる際に診断されます。
診察室血圧(病院での測定)
- 最高血圧:140 mmHg以上
- 最低血圧:90 mmHg以上
家庭血圧(ご自宅での測定)
- 最高血圧:135 mmHg以上
- 最低血圧:85 mmHg以上
高血圧の種類と原因
高血圧には、原因が特定できるものとできないものがあり、それぞれで下記のように区別されます。
本態性高血圧
- 原因が特定できない高血圧
- 遺伝的要因と環境要因の両方が発症に関与
- 高血圧のほとんどがこの本態性高血圧に該当 など
二次性高血圧
- 腎動脈狭窄、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫などの疾患が原因
- 原因疾患の治療によって症状改善が可能な場合もある など
本態性高血圧の主な環境要因
本態性高血圧では、以下の環境要因が複雑に作用して発症・進行します。いずれも生活習慣に起因するものなので、糖尿病をはじめとした他の生活習慣病との併発も多々見られます。
- 塩分・アルコールの過剰摂取
- 肥満
- 慢性的なストレス
- 運動不足
- 栄養バランスの偏り
- 喫煙
- 自律神経異常 など
糖尿病と高血圧の関係
糖尿病(2型糖尿病)と高血圧(本態性高血圧)は、原因となる環境要因が共通するため、両者を併発するリスクが高くなります。両者には相互悪化のリスクがある点にも注意が必要です。
- 高血糖状態が血管壁を傷つけ、動脈硬化を促進する
- 動脈硬化により血管の弾力性が失われ、血圧が上昇しやすくなる
- 糖尿病によってインスリンが効きにくくなることで、血圧上昇を引き起こす可能性がある
- 糖尿病の合併症(糖尿病腎症)が高血圧の原因となることがある など
高血圧の危険性
高血圧は自覚症状が少ないものの、放置されると以下のような重大な合併症のリスクを高めます。糖尿病や肥満などを併発していると、これらのリスクはさらに上昇します。
- 脳卒中(脳梗塞、脳出血など)
- 心疾患(心筋梗塞、狭心症、心不全)
- 腎臓病(慢性腎臓病、腎不全)
- 大動脈瘤
- 眼底出血 など
高血圧の予防と管理
本態性高血圧を予防し、適切に管理するためには、日常生活における以下のような取り組みが重要です。これらは糖尿病などの他の生活習慣病の予防にも共通しますので、意識することで併発の予防にもつながります。
- 減塩(1日の塩分摂取量6g未満を目標)
- 適度な運動
- 適正体重の維持(BMI 25未満をめざす)
- 栄養のバランスの取れた食事
- 禁煙
- 節酒
- ストレス管理
- 定期的な血圧測定と検査 など
なお、糖尿病患者さんの場合は、これらに加えて以下の点にとくに注意が必要です:
- 厳格な血糖コントロール
- 合併症(とくに糖尿病腎症)の早期発見と管理 など
高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、その多くが発症に伴う自覚症状がほとんど現れません。しかし、着実に進行していきますので、健康診断などの機会を利用してご自身の健康状態を把握し、予防と改善に努めることが大切です。
住吉区・あびこ駅のゆかわ内科クリニックでは、糖尿病と循環器内科の両方の専門知識を生かした、総合的な診療を行っています。健診で血圧の異常を指摘された場合には、どうぞお気軽にご相談ください。