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脂肪の数値について
健康診断などで行う脂質検査では、血液中の脂肪濃度を調べます。主に以下の項目があり、この数値がすべて基準範囲に収まっているのが理想です。
LDLコレステロール
LDLコレステロールは「悪玉コレステロール」とも呼ばれ、脂質を全身に運ぶ働きをしています。血管壁に付着しやすい性質があり、過剰になると動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めます。食事や運動習慣の改善で数値を下げることができます。
- 基準範囲:60~119mg/dL未満
- 要注意:59mg/dL以下、あるいは120~179mg/dL
- 異常:180mg/dL以上
HDLコレステロール
HDLコレステロールは「善玉コレステロール」と呼ばれ、血管壁に付着したコレステロールを取り除く働きがあります。数値が高いほど動脈硬化を予防する効果があるとされ、運動習慣の改善や適度な飲酒で増やすことができます。
- 基準範囲:40~119mg/dL
- 要注意:30~39mg/dL
- 異常:29mg/dL以下
中性脂肪
中性脂肪は、余剰なエネルギーを脂肪として体内に蓄えたものです。過剰になると血液がドロドロになり、動脈硬化や膵炎のリスクが高まります。食事制限や運動、節酒で改善が期待できます。
- 基準範囲:30~149mg/dL
- 要注意:29mg/dL以下、あるいは150~499mg/dL
- 異常:500mg/dL以上
脂肪の数値と糖尿病の関係

糖尿病と脂肪の数値には密接な関係があります。具体的には以下のメカニズムで血中脂質の増加が起こり、動脈硬化を促進して脳梗塞や心筋梗塞、狭心症などの合併症のリスクを高めてしまいます。
1.糖尿病による高血糖状態で生じた余剰な糖が肝臓で中性脂肪に変換される
2.糖尿病では脂肪を分解してエネルギーに変える力が低下しているため、脂肪を適切に分解できない
3.血中に脂肪が蓄積しやすくなる
脂肪の数値が高いと起こる疾患
脂肪の数値が高いと、以下のような疾患のリスクが高まります。とくに糖尿病患者さんでは肥満や脂質異常症を併発している方が多く見られますので、血糖コントロールとあわせて脂質管理も重要となります。
- 動脈硬化:血管壁にコレステロールが蓄積し、血管が硬くなる
- 心疾患:狭心症、心筋梗塞
- 脳血管疾患:脳梗塞、脳出血
- 末梢動脈疾患:目や足の血流障害(糖尿病網膜症、糖尿病性神経障害) など
脂肪の数値が高くなる疾患
糖尿病以外でも、以下の理由で脂肪の数値が高くなることがあります。
- 脂質異常症:血液中のLDLコレステロールや中性脂肪が異常に高い、または HDLコレステロールが低い状態
- メタボリックシンドローム:内臓脂肪型肥満に加え、高血圧、高血糖、脂質異常のうち2つ以上を合併した状態
- 甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモンの分泌が低下し、代謝が遅くなることで様々な症状が現れる疾患
- ネフローゼ症候群:腎臓の障害により大量の蛋白質が尿中に漏れ出し、むくみなどの症状が現れる疾患
- 閉塞性黄疸:胆管が詰まることで胆汁の流れが阻害され、皮膚や白目が黄色くなる症状が現れる疾患 など
健康診断で異常を指摘されたら当院へ

脂質の数値が高くても、自覚症状が現れることはほとんどありません。ですが、無症状でも動脈硬化は着実に進んでいきます。将来的な病気を予防するためにも、健康診断で数値の異常を指摘された際には、早めに受診して健康状態を把握することが大切です。住吉区・あびこ駅のゆかわ内科クリニックでは、糖尿病・循環器疾患の専門医としての視点で、脂質異常への包括的な診療を行っています。
管理栄養士と連携した食事指導や、運動療法のご提案など、生活習慣の改善をトータルでサポートし、患者さんの健康長寿を見据えた脂質管理をご提供いたします。健康診断で脂肪の数値が気になった方は、お早めにご相談ください。