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糖尿病と食事の関係
私たちの体を動かすエネルギーであり、糖尿病の原因にもなる「糖」は、主に食事によって体に取り入れられます。そのため、糖尿病と食事には切っても切れない関係があると言えるでしょう。その一方で、適切な食生活は血糖コントロールに有効なため、食事によって糖尿病の予防や進行の抑制が可能です。毎日の食事は、糖尿病の原因にも治療の鍵にもなるのです。
糖尿病と上手に付き合っていくためにも、糖尿病について正しく知り、治療と予防のための食生活を心がけましょう。できることから少しずつ改善し、無理なく続けることが大切です。
糖尿病リスクを高める食生活
食事の仕方によっては血糖値の急激な上昇を引き起こすことがあり、それらが常態化していると、インスリン分泌低下やインスリン抵抗性の増加につながります。一般的に以下のような食生活が習慣化している方は、将来的な糖尿病に十分ご注意ください。
- 甘い飲み物やお菓子をよく食べる
- 脂肪分の多い食事をよく食べる
- 野菜をあまり食べない
- 炭水化物（ご飯やパン、麺類など）を大盛りで食べることが多い
- 食事の時間が不規則
- 頻繁に間食をする など
糖尿病予防のための食事指針
バランスの取れた食事
様々な食品をバランスよく摂取し、栄養のバランスを整えましょう。とくに外食やコンビニ・レトルト食品が多くなると、蛋白質やビタミン、食物繊維などが不足しがちです。これらを意識して食べるとよいでしょう。
- 蛋白質…肉、魚、豆類など（ただし、油分・塩分の多い加工肉は控えめに）
- ビタミン・食物繊維…野菜、果物、キノコ、海藻類など
炭水化物を抑える
米・パン・麺類など主食の量を適度に抑えましょう。食べる順番も重要で、いきなり炭水化物から食べ始めると、血糖値が急上昇してしまいます。血糖値を抑える食べ方としては、以下の順をおすすめいたします。
- 食物繊維（野菜など）→蛋白質（植物性→動物性の順）→炭水化物（糖質）
間食の工夫
朝・昼・夕の3食以外に摂る間食は、血糖値の持続的な上昇を招くため、控えた方がよいでしょう。ただし、血糖値に影響が出にくい食材や食べ方を選べば、間食自体には問題ありません。
食材
糖分・脂質の多いもの（清涼飲料水・菓子パンなど）は避け、血糖値に影響の出にくい果物や無塩タイプのナッツ類などを選びましょう。
食べ方
夜間（就寝前）など、血糖値が上がりやすいタイミングを避けることが大切です。日中の活動・運動を行う前や食後すぐにデザート的な流れで食べることで、持続的な血糖値上昇を防げます。
様々な生活状況における実践的なアドバイス
忙しい方や外食が多い方
- コンビニ食でもバランスを意識し、食物繊維（サラダなど）や蛋白質（サラダチキン、豆腐など）を追加する
- 糖質量の表示を確認し、低糖質の商品を選ぶ
- 栄養バランスに配慮した宅配食サービスの利用を検討する など
ご高齢の方でお肉があまり食べられない方
- 消化しやすい形で蛋白質を摂取（魚、豆腐など）
- カルシウムも一緒に摂取できる食品（骨ごと食べられる魚の缶詰など）を選ぶ
- 肉と豆腐を組み合わせるなど、食べやすさと栄養バランスを両立する など
多忙で自炊が難しい方
- 栄養バランスに配慮した冷凍食品や宅配食を利用する
- メインの料理だけでなく、サラダなど「もう一品」を意識する
- 毎日ではなく、週に数回は健康的な食事を心がける など
小さな工夫の積み重ねで無理なく続ける
糖尿病の予防や管理において、常に完璧をめざす必要はありません。100点満点をめざして挫折してしまうより、80点でも無理なく継続することのほうが大切だからです。「栄養バランスを考えなくては」と深刻に考えていただく必要はなく、毎日の食卓に野菜を一品増やす、歩く時間を増やす、食後ダラダラとスマホを見ないなど、小さな工夫でも継続することで大きな効果につながります。
無理なく続けることが大切です
血糖コントロールは糖尿病治療における最重要項目ですが、厳しい食事制限は患者さんの大きな苦痛となり、継続が重要な糖尿病治療にとっての障壁になりかねません。血糖コントロールを重視しすぎて日々の管理が苦痛になってしまうと、「健康な方と同様の生活を維持する」という治療目的を達成することはできません。
住吉区にある「あびこ駅」から徒歩10秒のゆかわ内科クリニックでは、患者さんの生活に寄り添った診療を大切にし、無理なく続けられる生活指導を重視しています。糖尿病治療への不安がある方や、現在の糖尿病治療をつらいと感じておられる方は、お気軽に当院へご相談ください。