- HOME
- 糖尿病の合併症
糖尿病の合併症について

糖尿病は血糖値が高くなりすぎることで発症する病気です。高血糖状態は血管へダメージを与えて動脈硬化を促進するため、その影響は全身に及びます。糖尿病自体は自覚症状に乏しいものの、動脈硬化を通じて徐々に神経や臓器の機能を損ねるため、知らない間に合併症を起こしていることもあります。合併症による重篤な症状に見舞われて初めて糖尿病であったことに気づく、というケースも多々見られます。
早期発見と早期治療のために
合併症は糖尿病の進行度や罹患期間、血糖コントロールの状態などによって発症リスクが変わります。適切な血糖管理と定期的な検査によって、多くの合併症は予防や早期発見が可能です。
ゆかわ内科クリニックでは、糖尿病の適切な管理と合併症の早期発見・予防に力を入れています。糖尿病の治療で肝要なのは、こうした合併症を防ぐことです。定期的な検査と丁寧な診察を通じて、患者さんの健康を総合的にサポートいたしますので、気になる症状や健診結果への不安がありましたら、お早めに当院へご相談ください。
主な合併症
糖尿病性神経障害
高血糖状態が続くことで神経(とくに末端神経)が障害を受け、手足のしびれや痛み、感覚異常などを引き起こします。自律神経にも影響を及ぼし、消化器症状や排尿障害などを引き起こすこともあります。進行すると痛みを感じにくくなり、気づかないうちに怪我が悪化したり、細菌感染を起こしたりして足の切断が必要になる場合もあります。
糖尿病網膜症
網膜の細い血管(毛細血管)が高血糖により障害を受け、視力低下や失明のリスクが高まります。進行すると網膜出血や網膜剥離を引き起こし、急激な視力低下を招く可能性があります。糖尿病の合併症として代表的なものの一つで、日本における失明原因の多くの割合を占めています。初期段階の自覚症状がないことも多いので、糖尿病患者さんは定期的な眼科検診が重要です。
糖尿病腎症
高血糖により腎臓の濾過機能が徐々に低下していく病気です。進行すると尿蛋白の増加、浮腫、高血圧などの症状が現れます。最終的には腎不全に至り、人工透析が必要になる可能性もあります。
肝臓の障害は自覚症状として現れにくいため、症状が現れるころには治療による改善が難しいレベルに達している可能性があります。定期的な検査による早期発見と適切な治療が重要です。
大血管障害(脳卒中・心筋梗塞など)
高血糖状態が続くと動脈硬化が進行しやすくなります。その結果、脳や心臓などに血液を送る重要な血管が障害され、脳卒中や心筋梗塞などの重大な循環器疾患のリスクが高まります。これらの多くは生命に関わる深刻な合併症ですので、糖尿病患者さんは、血糖コントロールに加えて血圧や脂質の管理にも注意が必要です。
がん
糖尿病になると複数のがん(肝臓、膵臓、大腸など)の発症リスクが高くなることが知られています。がんの発症には様々な要因が考えられますが、具体的な発症メカニズムはまだ解明されていません。糖尿病の管理とともに、定期的ながん検診も重要です。
その他の生活習慣病
生活習慣の影響を大きく受ける点が共通するため、糖尿病は高血圧や脂質異常症など他の生活習慣病とも密接に関連しています。これらの疾患は相互に影響し合い、合併症のリスクをさらに高める可能性がありますので、それぞれの疾患だけでなく、総合的な視点での健康管理が求められます。