糖尿病について

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糖尿病とは?

糖尿病とは?

私たちが食べ物から得る栄養素のうち、糖は消化されてブドウ糖となり、体や脳を動かすエネルギーとなります。血液中のブドウ糖濃度(血糖)が高まりすぎると血管に負担がかかってしまうので、血糖値が上昇した際は、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されて過剰な血糖値上昇を抑えています。

しかし、インスリンの働きが悪くなったり分泌量が減ったりすると、血糖値を正常に保てなくなり、血糖値の高い状態が続きます。これが慢性化した状態が糖尿病です。

高血糖状態の持続は血管に大きな負荷をかけ、動脈硬化を促進させてしまいます。そのため、糖尿病になると血管へのダメージを通じて様々な健康問題を引き起こす可能性があるのです。

糖尿病の原因と自覚症状

原因

一口に糖尿病と言っても原因は様々で、原因によっていくつかの種類に分けられます。糖尿病は発症の前兆がないことが多いうえ、それぞれで病態や適切な治療法・管理法が異なりますので、専門医による早期かつ適切な診断が重要となります。

  • 不健康な食生活
  • 運動不足
  • 肥満
  • ストレス
  • 加齢
  • 遺伝的要因
  • 自己免疫異常
  • ウイルス感染
  • 妊娠 など

前兆・自覚症状

初期の糖尿病は自覚症状に乏しいですが、進行すると以下のような症状が現れることがあります。糖尿病は早期発見・早期治療が大切ですので、「糖尿病かな?」と思った際には早めに当院へご相談ください。

  • のどが渇く
  • 頻繁にトイレに行く
  • 疲れやすい
  • 体重が減る
  • 傷の治りが遅い など

糖尿病の主な種類

1型糖尿病

何らかの原因で膵臓でのインスリン分泌が低下もしくは枯渇してしまうことで起こる糖尿病です。

2型糖尿病

インスリンの分泌低下や作用異常が原因となる糖尿病です。一般的にイメージされる糖尿病で、生活習慣が発症と進行に大きな影響を与えます。

妊娠糖尿病

妊娠中に起こる糖尿病で、妊娠を機に起きた糖代謝異常が原因となります。出産後に改善することが多いですが、妊娠中の高血糖は母児両方に多大な影響を与えるため、的確な治療が必要です。また妊娠糖尿病を指摘された場合、将来的な糖尿病の発症リスクが高まると言われています。

糖尿病の合併症

糖尿病の放置や管理不足は、様々な合併症を引き起こします。主な合併症には以下のようなものがあり、いずれも最終的に重篤な症状を招く可能性があります。

糖尿病性神経障害

高血糖が続くと細小血管障害といって小さな血管の動脈硬化が進行し、その結果神経が傷つき、末梢神経・自律神経などに障害が起こります。手足のしびれや痛みのほか、立ち眩みや頑固な便秘、排尿障害や勃起障害など全身に様々な症状が現れることがあります。

糖尿病網膜症

高血糖状態が網膜の血管を障害することで起こります。視力低下や失明のリスクが高まりますが、進行に伴う自覚症状に乏しく、気づいたときには失明寸前というようなこともあります。定期的な眼科通院と眼底検査が必要です。

糖尿病腎症

高血糖の影響で腎臓の機能が徐々に低下していく病気です。進行の程度は尿検査や血液検査で分かり、当院でも尿蛋白や、より細かい微量アルブミン尿により腎臓の状態を評価しています。進行すると人工透析が必要になり、日常生活に大きな影響を与えます。

大血管障害

糖尿病による動脈硬化が進行すると、脳や心臓など重要な組織への血液供給が妨げられ、脳血管障害(脳卒中)や冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞など)、末梢血管障害などのリスクが高まります。糖尿病とともに脂質異常症の影響も大きく、特にLDL(悪玉)コレステロール値が高い方は注意が必要です。

糖尿病とがん

糖尿病とがん

糖尿病患者さんは、がんの発症リスクが上昇すると言われています。腹部エコー検査による肝臓や膵臓などの評価を行っており、また便潜血検査で陽性になる場合は内視鏡検査を受けて頂く場合もあります。がんも初期には自覚症状が乏しいため、定期的な健康観察による早期発見と早期治療が重要です。予防・治療については当院へご相談ください。

糖尿病の治療

糖尿病の治療は、血糖値をコントロールし、合併症を予防することが目的となります。主な治療方法には以下があり、糖尿病の種類や患者さんの状況に合わせて的確に組み合わせます。

食事療法

バランスの取れた食事を心がけ、糖質の摂取と血糖値の変動を適切に管理します。

食事療法と糖尿病の予防

食事療法は、糖尿病の治療と予防の両方で鍵となります。無理なく続けることが大切ですので、患者さん個々に合わせた食事療法を選ぶことが大切です。

運動療法

日常生活の中に適度な運動を組入れます。理想的にはウォーキングなどの有酸素運動と、スクワットなどの筋力トレーニングを組み合わせるのがよいと言われています。過度な食後血糖値上昇を抑えたり、基礎代謝を上げることで血糖値が上がりにくい体、太りにくい体づくりを目指します。

薬物療法

経口薬やインスリン注射、GLP-1受容体作動薬など、新旧様々な薬剤が登場しています。それぞれの患者さんに最適なお薬を提案するのが糖尿病専門医の腕の見せ所です。